この度「企画展 : C810 シロクロ②」と題しまして、弊社コレクションより「もの派」の作家である李 禹煥・榎倉康二による「内なる心の世界」をモノクロームで表現した作品を展示販売いたします。「もの派」は、日本の戦後美術を語る上で「具体」と並ぶ重要なアートムーヴメントの一つであり、絵画の枠組みからの逸脱を試み、現在でも世界的に高い評価と関心を集めています。
黒は最も禁欲的な色でありながらも、観る者の心のありようを何ら制約することなく映し出すスクリーンのような作用を備えています。時には不都合な真実と出会ってしまう可能性を秘めながら、私たちの想像力を刺激し「内なる心の世界」と向き合う装置となります。光と影は表裏一体であり、過剰な光は漆黒の影を描きます。アートは社会と切り離しては存在することはできませんが、寛容性を失ったアートもまた存在理由を失います。私たちは不都合な真実が見えないのではなく、見ようとしていないだけなのかもしれません。本展は、私たちすべての人間が自身の潜在意識の中にある「内なる心の世界」と向き合う貴重な体験となることでしょう。ぜひ、ご高覧ください。
period:2021年6月22日 (火) ~ 7月22日 (木)
※好評につき7/31 (土) まで会期延長
hours:12:00 – 18:00 定休日:日月祝日
※新型コロナ対策のため、アポイントメント制となります
※会期中、展示入れ替えを行っています
venue:鳩ノ森美術|gallery
1936年韓国生まれ。1961年日本大学文学部哲学科卒業。1960年代末〜1970年代半ばにかけて日本で起こった前衛芸術の動向「もの派」の理論と実践における中心的役割を担い、その後の現代芸術に大きな影響を与える。作品は彫刻や絵画、ドローイング、版画など多岐にわたるが、それらの制作に一貫しているのは、石や鉄、あるいはキャンバスや筆との弛まぬ静かな対話を通して、自らの考えや感情など作家の内面を表現することよりも、「人間」と「もの」、あるいは「もの」と「もの」との関係性を問う姿勢である。今まで個別の「もの」や「空間」だったものが互いに結びつき、これまで見過ごされてきた世界と私たちとの間に新たな出会いをもたらす李の作品は、国内外から高い評価を集め、2010年に開館した李禹煥美術館(直島)は多くの来館者で溢れています。多摩美術大学名誉教授。
1942年東京都生まれ。1968年東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了。具体美術と並び日本の戦後美術を語る上で重要なアートムーヴメントである「もの派」の作家の一人。1970年中原佑介がコミッショナーを務めた第10回日本国際美術展に出展。1971年第7回パリ青年ビエンナーレ優秀賞(留学賞)。1979年と1980年ヴェネチア・ビエンナーレに出展するなど国際的に活躍。1974年アーヘン美術館や1994年国立国際美術館で個展。2005年東京都現代美術館で大規模な回顧展が開催された。壁に廃油を染み込ませたり、廃油・アクリル塗料をつけた木材を綿布に押し当てた滲みを利用するなど、榎倉の作品は独特の技法が生み出す際だった存在感で知られ、「物と物との関係」や「物と身体との関係」から生じる物質性に着目し、絵画の枠組みからの逸脱を試み、現在でも世界的に高い評価と関心を集めている。1995年10月死去。
作品|Artworks
《 項B 1979 》
木版画(60×80.7cm)ed.30
※第11回東京国際版画ビエンナーレ京都国立近代美術館賞
※「シロタ画廊」シール
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《 黙2 2006 》
リトグラフ(91×110cm)ed.PP
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《 Figure B-No.42 1985 》
綿布・アクリル(37.5×45cm)
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《 Figure B-No.52 1986 》
綿布・アクリル(39×47×14.5cm)
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