1911年高知県生まれ。高知県師範学校を卒業後、高知・東京・神戸で小中学校の美術教員として教鞭をとるかたわら画家として活動。後年は兵庫県西宮市に自宅兼アトリエを構える。1948〜49年頃、神戸市民美術教室に講師として訪れていた吉原治良に出会い、構成的な風景画や静物画から次第に複雑なマチエールをもつ抽象画(油絵の下塗りに使う黄土色や茶褐色をベースに、おびただしい数の繊細な筆触を描き重ね、揺らぐような空間の密度を感じさせながら、無限に変転する様を映し出した「生きる気持ちの直接的表現」と自ら称した芸術世界)へと展開し、1954年には吉原を中心とする「具体美術協会」の結成に参加。アクションやパフォーマンス、または新たな素材を導入した絵画によって、戦後日本を代表する前衛美術グループとなった「具体美術協会」にあって、しかし正延は一貫して絵画の内在的問題に向き合い続けた、1954年の「具体美術協会」結成時から1972年の解散まで、全展に出品した数少ないメンバーの一人です。1995年逝去。
具体美術協会(GUTAI)とは…
1954年関西抽象美術の先駆者である吉原治良をリーダーに、阪神地域在住の若い美術家たちで結成された前衛美術グループ。 「人の真似をするな。今までにないものをつくれ。」というコンセプトの元、奇想天外な発想でユニークな作品を次々と輩出。フランスの評論家ミシェル・タピエがその前衛性を絶賛し海外で広く知られるようになる。1972年吉原の死去に伴い、具体美術協会解散。その後、多くの回顧展を経て、 2013年グッゲンハイム美術館での企画展「GUTAI:素晴らしい遊び場」によって一気に国際的に再評価(インスタレーション・ハプニング・パフォーマンスアートなどの先駆としての位置づけ)が進む。現在では日本の戦後美術を語る上で最も重要なアートムーブメントの一つとなっています。
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作品|Artworks
《 作品 1960s 》
紙・エナメル(25.5×18cm)
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